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【ダイエット幻想】やせること、愛されること

Salut 

この本はダイエット方法を紹介する内容ではありません。

 

著者は文化人類学者の磯野真穂さん

文化人類学とは・・・外の文化を知ることで、

いかに自分たちが常識にとらわれて

頭が固くなっているかを自覚し、

日常にある「」に注目する。

 

 

\ダイエット幻想はこちら/

 

内容

第1章 やせたいのか、やせたいと思わされているのか?

第2章 人に認めてもらいたい

第3章 かわいいの落とし穴・・・「女の子」はいつまで続く?

第4章 シンデレラ体重

第5章 愛されること、競うこと

第6章 数字の魔力で世界が消える

第7章 糖質はダメなのか?・・・「正しい知識」のトラップ

第8章 ふつうに食べるをバカにしない

終 章 世界を抜けてラインを描け!

 

 

 

ダイエットの罠、日々体重をはじめ数字を気にしている。

 

・短期間でダイエットしたら、

 別人のように痩せて好きな人から告白された。

 

ヒエラルキートップの仲間に入れてもらえた。

 

・常に頭の中は食べること、食事管理でいっぱいだ。(摂食障害

 

・人に合わせることばかり考えている。

 自分を無くしてまでするのは何故だろう?

 

・欲しい服のサイズが小さいので、

 服に体を合わせるためダイエットする。

 

・体重管理ができない自分はだめなんだ。

 

 ・・・等々。

 

こんな風に思いつめ、考えてしまうのはどこから来るのだろう?

 

 

\あわせて読みたい/

石川優実さんのブログ 「だってわたし、可愛くないから。の呪い」   

  hppt://www.ishikawayumi.jp/entry/kawaikunai.180212

 

 

 

 

数字や色のない世界

 

第6章は数字や色のない部族(ピダハン、ドトス、モシ)が存在するという。

そんな世界を想像ができるだろうか??

 

例として、彼らは牛を数えることは出来ないが、

自分の飼っている牛の「個体識別」はできるという。

 

数で言うところの200頭なのだが、

200頭分の個体識別ができるという。

誰と誰が一族という関係性もわかっている。

 

19世紀末、フランス人が入植してきた。

 

フランス人はモシの人々から税金や強制労働、

兵役に駆り出すため、モシの人々を世別や年齢、

または出生数をコントロールするため、

成人女性や出産適齢期の少女の数を数えた。

 

ここまでで、大事なものを失ったのがわかる。

個性やそれぞれのストーリー(文脈)は必要ないということだ。

 

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文脈が無くなると彩(いろどり)が無くなるということ

 

ここで「数字のない小さな国」の物語が紹介されている。

(かなり主略してすみません)

 

数字のない小さな国がありました。

 

人々の足は小さなバスです。

数字がないので時刻表はありません。

 

人々は、

バスは太陽があのクスノキの真上に来たらくるとか、

ミドリさんの家の煙突まできたらくる、

という風に認識しています。

 

運転手はだいたいどこで、

誰が乗ってくるのかを把握しています。

 

ある日、重要な遺跡が発見され、

観光客が大勢やってきました。

 

村長は金に目がくらみます。

数字アドバイザーがやってきて、時刻表が決められ、

新しい建物が建ち、

クスノキは邪魔だと切り落とされます。

 

村の人々はやがて

そこにクスノキがあったことさえ忘れてしまいます。

運転手も時刻を守れる人を教育し、

以前いて人は辞めさせられました。

 

・・・かなり略してしまいましたが、

これだけでも、文脈から彩(いろどり)が無くなったことが

わかるでしょう。

 

 

ふつうに食べるをバカにしない

 

「ふつうに食べるとは、

 

刻々と変化する世界に、

ふわっと入り込んで身体を馴染ませ、

そのなかでたいした意識をすることもなく、

食べ方を微妙に調整しながら

心地よく食べられることであり、

 

頭に詰め込んだ知識で、

食べる量や内容を管理することではない。」

 

それって生きる力ってことだよな。

 

摂食障害を回復するために、普通の事

を取る練習をするという。

 

 

\あわせて読みたい戦後から現代の食の返還/

 

 

 

 

\あわせて読みたい著者の調査と摂食障害からの回復エピソード/

 

 

 

世界を抜けてラインを描け!

 

これは新しい考え方だなと思って、

私の中でまだ未消化ですが、

もっと考えを深めたい内容なんです。

記録しておきたい。

 

他人からの承認や比較からの声に、

心が漂流しないための処方箋(考え方)の一つとし

自分自身を点ではなく、

ラインを描き続ける存在として捉えること。

 

「社会は個人を点として捉える情報が多い。

(略)あなたが今まで残してきたライン

あなたが今まで出会った人間を含む生き物、

モノや事との共同作業の成果です

 

つまり自分らしさを見出したいのなら、

自己分析をするよりも、

世界と具体的に関わり、

その中であなたと世界の間に何が生成されるのか、

それにどんな意味があるのかを

体全体で感じとれる力を

養った方がいいでしょう。」

 

「また、

欲望が先走ると、ラインであることをやめ、

点と点だけの存在になる。」

 

面白いなあ。

人間ってこういう危うさあるよな。

だから誰とどのようにラインを

繋げていくかと示唆している。

 

 

\この考えについて、あわせて読みたい/

 

 

\「急に具合が悪くなる」を読みました/

mutsuming2021.hatenablog.com

 

 

 

 

\今回読んだ本、ダイエット幻想はこちらから/

 

 

Au revoir