Salut
8050というのは、80代の年をとった親の年金をあてに、50代の引きこもりの子どもが
生活しているということ。ここ数年8050がらみの事件をよく耳にする。一体何が原因でこんな親子関係になってしまうのだろう?現在引きこもりには100万人いるといわれているけど、当事者家族としたらまさかうちの子が引きこもりになるなんて。子どもの事をこんなに考えて、思いやってるに何がいけなかったのだと自責の日々だ。
この話は町の歯科医の夫(50代)、専業主婦の妻(50代)、一流大学出身で一流企業に勤める娘(20代)、14歳から7年間引きこもりの息子、翔太(21歳)の家族の物語だ。
あらすじを聞いたとき「年齢8050じゃないの?」「7年前のいじめでも裁判できる」と聞いて驚いたが、本を読み進めてもどんなきっかけで裁判に持っていくのか見当もつかなかった。しかし、それはやってくる。そうなったら話は加速して読むのが止まらなり、感動のラストへ。いや、私が加速しても翔太は前に進んだかと思ったら、また振り出しに戻ったりとなかなか難しいんですけどね。
★★★
林真理子さんの作品は時代小説以外は割と読んでいて、細やかな描写もすばらしくて、鈍いわたしは毎回はっと気づかされます。「下流の宴」に続き歯からわかる諸々の事が納得でした。
Au revoir